2020年、諸事情により月途中で会社を退職し無職となりました。
その際、月末退職の進め方は色々と情報が集まったのですが、月途中の退職についてはあまり情報が集まりませんでした。
そこで私が実際に経験し、
月末退職ではなく、月途中に退職した場合は何が違うのか?
月途中に退職した場合にすべきこととは?
何をしないと損するのか、何をすると得するのか?
分かったことを、わたしと同じような決断をしようとしている方にお伝えしたいと思います。
退職は不安で勇気がいる決断ですが、その不安に対して少しでもお役に立てたら幸いです。
月途中で辞めるのには、訳がある・・
普通に働いてる人は、なかなか月途中で退職しようとは思わないのではないでしょうか。
あらかじめ「○月いっぱいで退職」と月末に見送られながら退職する方がほとんどだと思います。
私がなぜ月途中で退職したかと言うと、簡単に言えば、
有給休暇を全て使い切って退職したら月途中だったから、
という理由になります(笑)
なぜそんな辞め方をしたのかは、本題から少し外れるので、別記事に記しますね。
もし興味があれば、読んでみてください。
退職と合わせて傷病手当を申請する方は参考にしていただけると思います。
辞めるまでにすべきこと
それではまず、辞めるまでに実施すべきこと(私が実施したこと)を書いていきます。
①退職日を調整する
当たり前ですみません(汗)
ここでお伝えしたいのは、
・月末に退職を合わせて、有給休暇を残して退職日を設定するか
・月途中の退職となったとしても、有給休暇を消化し切って退職日を設定するか
どちらが有利かということです。
結論から申し上げますと
『すぐに転職せず一旦無職になるなら、
退職日が月末ではなくなっても有給休暇を使い切った方がお得』です。
まぁ、一番良いのは月末に合わせて有給休暇を使い切って辞めるですね。
職場に恵まれれば可能です。
が、
システム開発系にありがちなんですが、開発プロジェクトへの派遣など客先常勤型勤務だと、客先から自社に戻っても仕事がないので、有給休暇を使えずに客先現場で退職させられてしまう事が多いんです。
わたしはまさに客先常勤型だったので、客先で月末まで働き、翌月から残っていた有給休暇を全て使ってから退職しました。
会社に忖度しても何も返ってこないので、ここは自分の有休権利をしっかり主張しましょう!
普通の会社であれば、ここで争っても会社が負けますので、あっさり認められますよ。
②健康保険の切り替えを計算しておく
会社を退職する時、保険証は会社に返さなければいけません。
(厳密には会社経由で保険組合へ返却されることになります。)
何もせずにそのまま無職になると、役所が管轄している国民健康保険の加入となります。
保険料が高いからって、拒否権はありません!(笑)
但し退職後2週間以内に加入していた保険組合(=会社からもらっていた保険証の発行元)に申請し、任意継続として再度加入すれば、国民健康保険に加入しなくて大丈夫です。
※退職後2週間以内に申請し、定められた期限内に保険料を納めないと任意継続に加入できません!
一旦加入を逃すと、国民健康保険に加入するしか選択肢がなくなるので要注意です。
ほとんどのサラリーマンは、国民健康保険に加入するより、任意継続で保険組合を継続したほうが保険料が安く済みます。
また保険組合では独自の給付金制度など行っている場合があるので、同等の保険料であれば国民健康保険よりお得だったりします。
例:1か月に同一医療機関で2万円以上払ったら、2万円超過した分を還付してくれる、etc
ちなみにわたし自身の計算結果では、
国民健康保険:約5万3千円(1か月あたり)
社保保険組合:約4万円(1か月あたり)
と、ひと月あたり1万円以上も安く済みました。
しかも付加給付金を申請できる月もあったので半年で10万円近く得しました。
なにも考えず国民健康保険に入っていたら、、その差はでかいです
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ですので、
退職までにどちらが保険料が安くなるのか、必ず計算しておいてください。
国民健康保険は、全国多分同じなので、どこかの役所の計算シミュレーションで。
任意継続は、加入している保険組合のホームページで計算できると思います。
③住民税のお金を用意しておく
会社にいる時は、毎月12分割された金額の住民税が給与から引かれています。(特別徴収)
毎月1/12の金額を払う感じですね。
しかし会社を辞めると、特別徴収から普通徴収に切り替わります。
普通徴収は年4回に分けた金額を払う感じです。
もちろん住民税の全体金額は変わりませんが、
退職後に4分割された金額で請求されるので、結構ビビります。(;・∀・)汗
わたしの場合ですが、
10月の半ばに退職した結果、残りの住民税が4期分(納期限1月末)にまとまり
約17万円の請求となりました。
普通に働いていれば、翌年5月まで分割されていた分が一気に1月末となるので、ちょっと前倒し請求されたみたいで損した気分です。
まぁでも、払わない選択肢はないですよ!(笑)
会社を辞める前に、住民税がどのくらい残っているのか意識しておいたほうが安全ですね。
④国民年金のお金を用意しておく
退職と同時に厚生年金を抜けることになります。
そして通常であれば国民年金へ加入することになります。
国民年金、これも基本的に不可避ですね。(回避しても罪にはならないですけど。。)
こちらは1か月あたり、固定で16,610円です。(令和3年現在)
住民税と違って毎月納付することができますが、ここで重要なのが、
『国民年金は社会保険料控除に加算される、しかも翌年3月分まで前納し計上できる』
ということです。
わたしの場合、退職した年は10月半ばまで結構働いて給与稼いでましたが、翌年は病気療養のため、いつから働けるか(課税所得があるか)分かりませんでした。
つまり、社会保険料控除を利用するなら、退職年で使ったほうがお得になります。
実際に、わたしは確定申告で、源泉徴収された所得税が結構還付されました。
ぜひどちらの年に社会保険料控除されるのがお得か考えて、国民年金の納付を計画してみてください。
ちなみに月途中で退職すると、年金の支払いはどうなるかと言いますと、
厚生年金へは会社から支払いがありません。
月末退職 :給与から厚生年金が支払われる。退職月は厚生年金となる。
月途中退職:給与から厚生年金は支払われない。国民年金は退職月から請求される。
些細な点ですが、厚生年金は会社と折半で納付しているので、例えば25日に退職など、あと少しで月末を迎える場合は、なんとか月末退職に調整してもらったほうが、ちょっぴりお得ですね。
⑤傷病手当の申請検討
こちらは人によるため、該当しない方は飛ばしてください。
退職する理由は人それぞれですが、精神疾患による方も少なからずいると思います。
わたしも当初は自分が精神疾患だとは思っていませんでしたが、退職時に傷病手当の申請をしてくれるという社会保険労務士に相談したところ、傷病手当受給の可能性があるとのことでした。
職場に行きたくない、気分が重い、不眠などに悩んでいる方がいたら、
「退職 傷病手当 申請代行」などのキーワードで検索してみてください。
退職した後に相談しても絶対受給できませんが、退職前、出来れば1か月前くらいに相談すれば、退職後に傷病手当を受給できるかもしれません。
少なくとも、わたしの場合は、適応障害により退職してから傷病手当を受給できました。
傷病手当金は、ざっくり言うと病気療養中は給与の2/3が非課税で支給されます。
(厳密には標準報酬月額の2/3です、詳しくは保険組合のホームページを見てください)
あまり生活水準を下げずに、失業保険を受給するために無理しなくても、病気療養に専念できる期間を得られる有難い制度ですので、わたしと同様な状態で退職される方は検討してみてください。
具体的にわたしが受給するまでどんな手順だったかと言うと、
退職1か月前:社会保険労務士へ相談&委任契約
退職3週間前:心療内科を受診(初診)
退職2週間前:心療内科を再診、適応障害と診断される
退職2週間前~退職日まで:有給休暇を取得する、取得理由「私用(療養)のため」
以上が退職前に実施したことです。
続きは「辞めたあとにすべきこと」に書きますね。
ちなみに社会保険労務士への支払いは6万円ほど掛かりました。
でも、自分一人では絶対申請できなかったと今でも思うので、支払いは妥当だったと思います。
辞めたあとにすべきこと
それでは次に、辞めたあとに実施すべきこと(私が実施したこと)を書いていきます。
①保険証の任意継続の申請
こちら前段でも書きましたが、
退職後2週間以内に申請し、定められた期限内に保険料を納めないと任意継続に加入できません!
この期間を逃すと、もう加入させてもらえなくなるので、退職してすぐに保険組合へ任意継続の加入申請をしました。
申請から2週間くらいで、組合から任意継続の保険証と、保険料の納付書が届きました。
万が一申請書が届いていなかったら加入できないので、ちょっとドキドキして電話で受理されているか問い合わせしちゃいました。
電話するのが嫌な方は、特定記録郵便で送ることをおすすめします。160円で安心が買えます。
ちなみにわたしに届いた保険証には、がっつり「任意継続」という文字が印字され、記号番号も9999みたいな普通じゃない番号が印字されていて、普通じゃないなとすぐ判ります(笑)
その保険証を利用して医療機関でなにか言われたことはないですが、その体裁を気にされる方は、保険料が高くなっても国民健康保険に加入したほうが良いと思います。(そもそも気にされる方は、無職期間を作らない気もしますが)
②国民年金の申請
国民年金については、厚生年金を辞めても自動的に切り替わったりしません。
こちらは役所へ出向いて、国民年金の加入手続きを行う必要があります。
(期間的にはたしか退職後2週間程度だったかと。詳しくは役所のホームページで)
なお、その場でお金を納付することはないので、安心してください。
後日納付書が郵送されてきます。
わたしの時は1か月後くらいに届いて、忘れられているのか心配になるほどでした。
また国民年金の申請と合わせて、国民健康保険の加入について聞かれると思いますので、任意継続にする人は「任意継続にするので」ときっぱり断ってください。
あと小ネタですが、本庁の役所はいつも混んでいますが、国民年金などは出張所レベルでも申請できる場合があるので、調べることをおススメします。出張所は空いてますからね。
③ハローワークへの申請
退職後に傷病手当金の給付を受けるなら、絶対にハローワークへ求職の登録をしてはいけません。
たぶんハローワークへ登録した瞬間、傷病手当の受給資格が終了します。
わたしはお世話になった社会保険労務士から、特に注意するようアドバイスを受けてました。
あ、代わりに申請することがあります。
受給期間の延長手続きの申請です。
失業保険の給付可能期間は、退職後1年間なのですが、傷病手当金を受給している間は失業保険の申請はできないので、例えば、退職後12か月傷病手当金を受給していた場合、そのあとに失業保険の申請をしてもすでに1年を超えているため、ざっくり言うと失業保険が一切もらえません。
失業保険は、勤務年数や自己/会社都合/特定理由離職者で受給可能期間が変わりますが、取返しのつかない大損をすることになります。
そこで受給期間が延びるように延長手続きを行います。
申請については、管轄のハローワークへ電話で相談してください。
わたしの場合、住所地のハローワークへ電話をかけ
「傷病手当金を受給するので、失業保険の受給期間の延長申請をしたい」
と伝えたところ、必要書類を郵送してもらえました。
なお延長申請には医師の証明が必要となりますので、ご注意ください。
わたしは掛かりつけの心療内科で書いてもらいましたが、4,000円くらい掛かりました。。
傷病手当の医師証明欄コピーでも良い場合があるので、ハローワーク次第でしょうか。
④傷病手当の申請
こちらは人によるため、該当しない方は飛ばしてください。
社会保険労務士さんのアドバイスで、退職前に心療内科を受診し、退職直前の有給休暇消化では「療養のため」という理由で休暇を取得したのは、前段で書きました。
ここでは退職後に行ったことを書きます。
同じような状況で仕事を辞めざるを得なくなった方の一助になれば幸いです。
<退職後>
退職後も継続して心療内科を受診(1~2週間に1度の頻度)
わたしが通院したのは「ゆうメンタルクリニック」という医院ですが、そちらの案内でも傷病手当の証明をするには、1~2週間に1度の頻度での通院が必須ということでした。
↓
翌月初週に傷病手当申請のための医師証明欄を記入してもらう
↓
傷病手当の申請書や離職票など、必要書類を準備して社会保険労務士さんへ送付する
↓
社会保険労務士さんから退職した会社へ会社記入欄の依頼を行う
(私のほうへは、会社から一切連絡は来ませんでした)
↓
社会保険労務士さんから保険組合へ傷病手当の1回目申請をする
↓
(3週間後くらい)
保険組合から傷病手当の支給決定通知書がわたしの元に届き、支給開始
↓
1回目の申請が通った後は、会社の記入は必要なくなるので、医師証明欄を記入してもらうだけで傷病手当の申請ができます。
ですので2回目以降は、通院しながら自分で申請を行いました。
もちろん、すべて申請は受理されています。
幸い、わたしは4か月程度で病気が治癒し、傷病手当は終了しました。
4か月間とは言え、1か月で30万円以上、トータル100万円以上を保険組合から支給していただき、安心して治療に専念できたのは、とても大きかったと思います。
わたしと同じような状況のかたは、退職後に傷病手当の申請を行うことを勧めます。
⑤確定申告
退職後、年が明けたら、確定申告です。
退職後、源泉徴収票を会社から受け取ると思いますが、
12月以外に退職した場合、その源泉徴収票は年末調整されていません。
ですので、月々掛け金を払っている医療保険や死亡保険などの保険料控除がされていません。
さらに上述した健康保険料(保険証)の控除申請、国民年金の控除申請をしないと、払いすぎた所得税が戻ってきません。
加えて、心療内科などお医者さんに通院しているなら、医療費控除(年間10万円以上の場合に申請可、医療機関への交通費も含められる)も申請できるかもしれません。
わたしの実例では、なんだかんだで、30万円くらい還付されましたよ。
最後に
退職は、誰も慣れてる方はいないので、不安が付きまといますよね。
わたしも、とても不安でした。
でも1度きりの人生、無理して心身を壊してしまっては勿体ないです。
納得できない働き方、生き方なら、変えたほうが後悔は少ないです。
ただ何も考えずに退職してしまうと、損をしてしまうことも世の中いっぱいあります。
そんな不安を少しでも和らげられたら、とわたしが調べたり体験したことを書きました。
ここを読んでくれた、貴方のお役に立てたら幸いです。
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